2013年06月27日
先日、ニュースキャスターの辛坊さんが、全盲のセーラーの岩本光弘さんと
ヨットでの太平洋横断に挑戦したが、残念な結果になってしまった。
”旅”は、楽しい事だけでない。
普段とは違う、注意を忘れず、注意していても今回の様に自然には勝てない
事態に陥ってしまう。
世界一周・・・・してみたいな。。
なんて、嘘っぱちでも軽く1回は誰でも呟いているかもしれない。
あるきにすと・・・・・この人は、目標通り”旅”を達成した。
吉田さんは2009-10年にはユーラシア大陸(約16,000キロ)を、
2010-11年には北米大陸(約6,400キロ)を、どちらも2本の足だけで
歩き抜いたという強者だ。この「歩く人=あるきにすと」・・・・・
http://alkinist.blog111.fc2.com/blog-category-22.html
「2003年ごろ、バスや列車でヨーロッパやアジアを旅しました。
最初は楽しかったけれど、いつしか好奇心が摩耗してしまって。
でも時速5キロというスピードで旅をすれば、
バスや列車ではただ通りすぎてしまうだけの小さな街や村を訪れ、
そこに暮らす人々に会うことができると思ったんです」
旅の原点は、03年にヨーロッパへ向かう飛行機の窓から見た景色がもたらした、
あるイメージだった。
「自分の知らないところで、
流れている時間があり、暮らしている人たちがいる。
今この瞬間にも、草原を馬に乗って駆けている人もいれば、
槍を持って獲物を追っている人間もいる」
なかなかの詩人だ。
吉田さんは、今まで考えたこともなかった、こんな単純で当たり前の事実に衝撃を受けた。
それから吉田さんは、ずっと旅を続けている。
吉田さんは言う。
これまでの旅の中で一番記憶に残っているのは、カザフスタン。
地平線以外何も見えない砂漠のでこぼこ道で出会った人々のやさしさは、
心に強く残っている。」
「どこに行ってもたくさんの人に助けられます。ただカザフでは、
厳しい環境の中で受けたホスピタリティーだったからこそ、本当にありがたかった」
時速5キロで進む旅は、大自然と向き合う旅でもある。
泥濘む道もあれば、石だらけの道もある。
どしゃぶりも、肌を焼くような夏の日差しも、凍りつくような吹雪も、
この身ですべてじかに受け止めなければならない。
一番の危機は、ユーラシア大陸横断も終盤に差し掛かった時のこと。
ブルガリアで凍傷にかかり入院、あわや手を切断しなければならないかもしれない、
という状況に陥った。
氷点下20度の中を歩き続けた末でのことだった。幸い切断は免れた。
あるときはカザフの何もない一本道の真ん中で、リヤカーの車輪が故障して、
動けなくなった。一晩待ったが車一台、人一人通らない。
次の日の食料も限られている。いらない荷物は捨てることにし、歩いた。
15時間くらい歩いたころ、ようやく通りかかった車に助けてもらった。
旅の間、悪意ある人に出会ってしまうこともあった。
ロシアの田舎道で、一人の羊飼いが話しかけてきた。
ロシア語分からないよ、と身振りで伝えると、何を思ったのかいきなり
吉田さんの胸ぐらを掴んで殴りつけてきた。走って逃げた。
ウクライナで現地の人の家に泊めてもらった時。
外に置いておいた荷物が全部盗まれてしまった。
警察に通報し、犯人が捕まって荷物は無事返ってきた。
盗んだのはジプシーの子供だったが、 「泊めてくれた一家も、グルだったような気もします」
さまざまな国の、さまざまな言葉の、さまざまな肌の色をした人たちに出会ってきた。
大きな街を抜け、誰もいない荒野を通った。
このブログを読んでいると、異国への憧れや少し羨ましい気もしてくるが、
実際は、大変な思いがあるからこそ小さな感謝や、心地よい風の匂いや、
一杯の水も美味しく感じられる。
だから、読んでいてもこちら側に、伝わってくるものがあるんだと思う。
湯水の様にお金を使って、贅沢して、買い物して、写真を撮って・・・・・
聞いても誰も感動もしない。自分自身も、実は何も残らない。
今なら・・・・そう思う。
長い長いこのブログ。本を読むように、ゆっくりと読んで行こうと思う。
koko