2013年02月17日
「風と共に去りぬ」
数年前に、小さな小さな映画館で一気に観た。
観客も10人前後、ポツポツと・・・空席の方が多かったので、より集中出来
より孤独で、映画に入り込めた。
観終わった後も、たくさん想う事、考える事が有りとっても心が充実した記憶がある。
時代は南北戦争直前、奴隷問題や社会的な理念の違いからアメリカが
南北に分裂していた頃の話。
舞台は「南」のジョージア州アトランタ近郊のタラという町。
上流社会をきままに生きるスカーレット・オハラという女性を中心に描かれている。
南軍の敗戦という社会的大事件の背景と内容だ。
この作品を「戦前と戦後の環境の変化と若い娘の悲劇」を単に描く作品の
ように思っていたが、そうではなくて「人の変化」を描いた作品なんだと思った。
戦争に負けた側というのは、悲惨で全てを奪われていき、
それを指をくわえて見ていることしかできない。
家畜も資産も、何もかも失って極限状態に陥ると人は「食べ物」の事を考える。
そんな生活の様子から見えてくるのが、変貌する主人公・スカーレットと
依然として変わらない妹たちとのコントラスト。
よく、「人が変わるには環境を変えなければいけない」と言う。
http://www.youtube.com/watch?v=PgF-rcHcPqE
スカーレットも妹たちも例外なく"環境"は変化。けれどそれに合わせて
変わる人もいれば、変わらない人がいるというのは、人が変わるための要因として
"環境"だけでは不十分だということ。
人が変わるには"環境の変化とそれに伴う立場の変化が必要"という考えに
同意する。
もちろん、スカーレットが変わった事は”個人の資質”によるところも
おおいにあると思う。
ただ、望んでもいないのにそのような立場に立たされ、社交界で
皆の注目を集めた自分を捨て、苦悩し、悪魔に魂を捧げる事さえ
厭わないというスカーレットの覚悟を見ていると、やっぱり"立場"が
人に与える影響について深く考えてしまう。
時々、自分をどうしても変えたい、あるいは変えなければいけないと
考えることは誰にでもあることだと思う。
そんな時「風と共に去りぬ」は女子には、ピッタリの指南映画だと思う。
最も、本人がそう感じて心から色んな事を受け止める必要があるが・・・。
やっぱり、まず個人の資質が大きいかもしれない。
koko